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タポたろうとおっちゃん妖精① ~出会い~

タポたろう

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時刻は午前二時。丑三つ時。
たぽタロウは夢の中にいた。


ギャーッギャッギャッギャッギャッ……!!


耳元で、耳の穴のすぐそばで、不気味な笑い声が聞こえた。

何か居る…。

ハッと目を開け、首をグルッと回し枕元を確認した。

誰も居ない…。
夢、かな…。

ベッドライトを付け、炭酸水を一口含む。
舌の上でシュワシュワと泡を転がしながら、ゆっくりと息を吸い込んだ。

大丈夫。落ち着こう。

深呼吸を一つ終えようと、息を吐きながら喉に流しこもうとした、その時だった。


「んなアルコールも入ってないもん飲んだって旨くもなんともないやろ!」

「………………!!!!!!!」


ゴホッ…!

突然聞こえてきたしゃがれ声に、喉にしまい切れず炭酸水が口から勢いよく飛び出した。


「きったねーな!姉ちゃん!!」


ベッドライトの側から声がする。
目を凝らし、オレンジ色の光の中に小さな影を見つけた。

「……ちっちゃい…オッサン…?」

「俺は妖精や!ガジュマルのな!」


少し、頭を冷やしたい。
そう思ったたぽタロウは、とりあえずトイレに行くことにした。


「ちょちょちょちょ!待て待て待て待て!どこ行くんやお前は!」

「え、トイレですけど。」

「普通な、もっと驚いたりとかな、そういうのないんか!」

「や、あの、驚いてるから、とりあえずトイレ。」

「随分と落ち着いて……あーもう、わかった!行ってこい!」


水の音というのは、心を落ち着かせてくれるものだ。
トイレという特殊な場所でも、不思議とその効果は発揮されるらしい。


トイレから戻ると、ちっちゃいオッサンはやはりそこに居た。
オレンジ色のベッドライトに照らされて。
大きさは、手のひらサイズ、おそらく15cmくらいだろうか。
頭頂部がオレンジ色に光っている。
どうやら、頭頂部だけハゲているようだ。
((ナ○ヘイタイプか……。))



「何を突っ立っとる。はよ座らんか。」

たぽタロウは、オッサンと目線を合わせるように、ベッドの脇に正座した。
近くで見ると、ますます頭が気になってしまう。
((……あれ?ハゲの周りに申し訳程度に生えている髪の毛……、緑色?))

「人の頭をジロジロ見るなーーー!!!」

「あ、すみません…。髪の毛、染めてるんですか?」((ハゲなのに…。))

「これは髪の毛ちゃう。苔や!」

「……コケ?」

そう言われて見ると、たしかに苔だ。
ハゲの周りに、苔が生えている、このおっさん。


たぽタロウは思った。
((ハゲが進むと苔が生えてくるのかな……。))



これが、たぽタロウとおっちゃんの出会いだったのである。


続く




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Posted byタポたろう

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